「連中は全員死ぬべきだ」 ――斑鳩セツナ、吐き捨てるように |
結局何者なのよあの人。 一人だけ変なロボットに乗って戦ってるし…… |
宝鏡メイのことか? |
他に誰がいるっていうのよ。 |
宝鏡か。 アレは………まあ、なんだ…… 知性を持った怪獣とでも思っておけ。 |
怪獣…… |
宝鏡は永世者と呼ばれる真性の怪物でな。 少なく見積もっても数千年以上を生きているのは確実だ。 |
そりゃまた随分な年月ね…… でも長生きしているだけで怪獣呼ばわりはあんまりのような気がするけど。 |
暢気なことを言うものだな。 奴はな、装備も何も無しに全力のヴァルキリーと渡り合うような手合いだぞ? |
…… |
何のギャグよそれ。 |
事実なのだから仕方がないだろう…… 永世者というのは旧文明時代からの生き残りだからな。 |
そもそもヴァルキリーとはかつて人間が振るっていた力を現代人が使えるようにするための装備だ。 むしろ宝鏡の方が本来あるべき自然な形とも言える。 |
だったらどうしてロボットに乗って戦ってるのよ。 必要ないじゃないそんなもの。 |
知るか。 奴の趣味なのだろうよ。 |
あっそ…… で、渡り合えるのはいいとして……強いの? |
強いというよりは厄介だな。 奴を殺すのは至難の業だ。 何度も試したがいずれも失敗に終わっている。 |
そ、そう…… 試したんだ…… |
いずれにせよ奴と関わってもロクなことにはならん。 もしも関わってしまったのなら全力で遠ざかることだけを考えろ。 それが貴様の身のためだ。 |
んー、そう言われてもいまいちピンとこないのよね。 そんな危険人物には見えなくて…… |
確かに普段の外面はあの通りだからな…… ただのバカと言ってしまえばそれまでだ。 だが、ああでもしなければ精神の平衡を保てぬのだろうよ。 |
永世者という連中は程度の差こそあれ既に人間をやめている。 我々には理解し難い精神性を持った異常者だ。 迂闊に近付いて迷惑を被らんように注意しろ。 |
まあ参考にしておくわ…… |