「スライドベルフルールとかある意味ホラーだよね」 「リングらせんってか?」 ――乙女たちの雑談 --------------------------------------------- |
そう、振り向くと……。 |
……。 |
……。 |
床一面に血でできた足跡がっ!! |
ふーん。 |
ええええ、美澤さん反応にぶいー。 |
いや、だって。ねぇ? |
この科学全盛の時代に、そんな非科学的な。 |
その割には膝が笑っとるようじゃが。 |
わ、笑ってません! 武者震いです! |
にやにや。 |
殴るわよ? |
いやー、わらわとしては割と良くできた話だったと思うんじゃがのう。 |
そうですか? |
さすが年の功、本物を見抜く目がありますねー。 |
つまり、光学迷彩のまま暗殺した暗殺者が、まぬけにも足跡残したとかそういう漫談じゃろ? |
えー、そういうんじゃないよー。 お化けの仕業なんだよ? |
怪談なんだからそうでしょうね……。 |
にしても、全然涼しくならなかったわねー。 何のために怪談したんだか。 |
……。 |
神凪さん? さっきから黙ってるみたいだけど……。 |
……?? |
あ、もしかして怖かったとか? |
飛べば足跡残さないのに。 |
もうそれはいいっつーの! |
うーん、神凪さんは怖いとかそういうの感じないのかなー? |
いやいや、前にも言った気がするが、そんなことはないじゃろ。 |
確かに前も言われた気がしますが、その時もあたしたち区別つきませんでしたよ。 |
可愛くじゃれあう子猫。 |
……。 |
に突っ込む暴走トラック。 |
……っ。 |
あ!! |
ちょ、ちょっとだけど変わった! |
ということは、神凪さんを怖がらせるためには猫絡みのお話が良いのかなー。 |
これは本当にあった話なんだけど……。 |
ちょ、ちょっと、もういいわよ。 |
腰引けてる。 |
引けてない! |
くっだらないし、そもそも外暑いけど室内は空調効いてるでしょ。 あたしはそろそろ帰るわ。おつかれさま! |
逃げたのう。 |
逃げたよねー。 |
あ、そうそう。 |
あれ? 戻って来た。 |
春風さん? 夏休みの宿題は終わらせたのかしら? |
うくっ! |
とーーーぜん、あたしは全部終わらせてありますけど? 訓練の他にアイドル活動でもお忙しい春風さんは、大丈夫なのかしら? |
あのー、美澤さん。 ちょっと宿題で分からないところがー……。 |
歳下に聞くな! |
えー、そっちの方が頭いいじゃーん! 教えてよーー!! |
じゃ、がんばってね。 |
しくしく……。 こっちの方がよっぽど涼しくなったよー……。 |