「連中の伝説に、泥を塗ってやりなさい」 ――水蓮アザミ、高天原ハルカに向けて --------------------------------------------- |
美澤隊員、訓練の時間だ! |
はぁ? |
いや、ボクたちもヴァルキリーなんだしたまにはそれっぽいことをしてみようかなー、と。 |
ほんと気分屋ねあんた…… |
でもあたしはごめんだから。 ここに来てまでそんなことしたくないわよ。 |
まあいいじゃんいいじゃん。 |
……なにやっとんじゃおぬしら。 |
あ、丁度いいところに宝鏡さんがきた。 |
ねーねー、なんでもいいからさ、ボクと美澤さんのトレーニングになるようなことをしてよ。 |
唐突じゃなおい。 |
まあそういうことなら何か用意してやってもいいぞ。 |
しなくていいから。 |
難易度はイージー、ノーマル、ハード、無理と四段階あるがどうするよ? |
なら無…… |
イージーで!!! |
はいよイージーな。 |
まったく美澤さんはタマなしだな! |
どんなことをさせられるかもわからないのに、いきなりきついのを選ぶアホがどこにいるってのよ。 |
初めから近い的を狙ってるようじゃ大きな進歩はできないんだよ? |
そんな一般論なんか聞きたくないから。 |
よーし、おぬしら準備できたぞー |
わくわく。 |
で……あたしたちは何をすればいいのよ。 |
ほれ、あそこにアホ面下げて座っとる六堂のやつがおるじゃろ。 |
……… |
ずいぶん遠くにいるけど? |
今回のミッションは六堂の救出じゃ。 六堂は敵に撃たれて虫の息であそこに取り残されておるという状況よ。 よっておぬしらは迅速に六堂を助け出さねばならぬ。 |
六堂さんが撃たれて瀕死ってありえない気がするんだけど。 |
そんならあれは六堂と同じ格好をしたひ弱な戦友Aとでもしておけ。 |
ひ弱な戦友A! 気をつよくもて! |
………? |
そこの白線を越えたらスタートな。 六堂を抱えて戻ってきたところでゴールとみなす。 タイムはきちんと計っておるから速ければ速いほど点数が高いぞ。 |
確かに簡単そうではあるけど…… |
というわけでほれさっさと行けい。 |
よーし、こんなの楽勝! |
きゅいーんきゅいーんぎゅいいいいいいいん |
て、あんた何いきなり猛ダッシュしてんのよ! |
だって速ければ速いほどいいって宝鏡さんも言っ…… |
はい春風死んだーーー!!! |
へ? |
チャージショット、発射。 |
しゅばーん |
あ。 |
どごおおおおおおおおおおおん |
……… |
春風のやつ吹っ飛んでしまったな。 というわけで春風はリタイアじゃ。 |
あんたねー……これのどこがイージーなのよ! 神凪さんが隠れて狙撃してくるとか聞いてないわよ! |
言う必要がどこにあるんじゃよ? それよりもな、ほれ、次が来るぞ。 |
んな……! |
あとは足止めするだけ。なんて簡単なお仕事。 |
しゅばーんしゅばーんしゅばーん |
うわっと、あいだっ、ぬぐっ……! |
やる気あんのかおぬし。 その場で避けるだけでは前に進めんぞ。 |
んなこと言われ、ても全然、タイミングが掴めな……! |
神凪のやつは相手の呼吸に合わせて真正面から不意を打つからな。 |
まあこれ以上続けても無駄かの。 おぬしもリタイアってことでいいか? |
あーもうそれでいいわよ! |
よーし神凪、撃ち方やめ。 |
(ぴた) |
まったくおぬしらはイージーすらクリアできんのか。 |
神凪さんが隠れてる時点でどうしようもないでしょ! |
いんやそうでもないぞ? 少なくとも黒羽と月影あたりが組めばこのくらいまず突破するんでねえか。 斑鳩のやつなら単独でも余裕じゃろうな。 |
うそーん…… |