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「直射日光下だと隠滅不能。夜間の人工的な照明下で五割。 新月の夜で九割。……目安としてはそれくらい。割合に応じてダメージも減らせる」 ――夜霧シズカ、問われて曰く |
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前回はひどいめにあったよ。 |
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あんたが勝手に突っ込んだせいでしょ…… |
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まあそうなんだけどね! |
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で、これからどうするのよ。 まさかもう一度変なミッションをやらされるわけ? |
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イージーすら失敗したおぬしらに与えるミッションなんぞもうねえわ。 とりあえず次のチャレンジャーを呼んだからもうちょい待てい。 |
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ほう。 |
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というわけで呼ばれてきましたが。 |
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今日は一体何の用よ。 |
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うむ、来たな。 おぬしらには今から簡単なミッションをこなしてもらう。 |
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はあ。 |
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ルールはな…… |
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……というわけじゃ。わかったか? |
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一応は。 |
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簡単すぎて暇潰しにすらならなさそうね…… |
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なんというビッグマウス。 |
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(ねぇ) |
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(なんじゃい) |
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(神凪さんが隠れていることは教えたの?) |
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(教えるわけねえじゃろ。ついでに言えばおぬしらが既に失敗したことも知らん) |
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(ということは私達の時と同じ条件てことね……) |
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(そうなるな) |
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んじゃ先程の説明通りそこの白線を越えたらスタートな。 |
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はいはい。 |
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……で、どう? |
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…… |
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神凪が隠れてるわね。 あの山の中腹くらいよ。 |
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(は?) |
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相変わらず索敵スキル高いわね。 誰かいるのまでは私も把握できたけど個人識別まではさすがにねー…… |
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(見付けるのはやっ!) |
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(つーかこれが標準なんじゃよ) |
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抑えられるかしら? |
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神凪さん一人だけならどうとでもなるわよ。 そこまで長い時間は保たせられないでしょうけど。 |
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それで充分よ。 |
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じゃ、支度するから少し待ちなさい。 |
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ノロマなのは嫌いだけど必要な準備なら仕方ないわね。 |
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(ごそごそ) |
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がちゃん、がちゃん、じゃきん、じゃきん |
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………あのー、あんた何してるわけ。 |
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制圧射撃の用意だけど? 迫撃砲とかオプション色々あるのよこの機体。 ヴァルフォースで使うことはまずないけど。 |
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なんかコードが伸びてるけど…… |
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旧式だから仕方ないでしょ。 完全に切り離せないこともないけど、そうするとロスが大きすぎるのよ。 |
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機敏な遠隔行動が可能なユニットを持ってる機体なんぞ滅多にないからの。 |
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六堂さんは? |
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ありゃインチキじゃからほっとけ。 |
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………… |
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さて、準備完了。 |
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(…………) |
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(ルール上、あの二人のどちらかがラインを越えるまで私は動くことができない) |
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(あれが全部火を噴くとなると妨害どころか私自身が危険。こまった) |
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この時点でかなり詰んだ気もするが、一応スタート切ってさっさと六堂を回収してこんかい。 |
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そうね。じゃ、援護なさい。 |
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はいはい。 |
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ひゅぽひゅぽひゅぽーん ばしゅばしゅばしゅばしゅーん ずががががががががががががが |
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うるさっ! |
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砲にミサイルに機関銃、全部いっぺんにぶっ放してるし…… |
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よく見えんが神凪のいる辺りがえらいことになっとるな。 もうあのへん地形変わっとるんじゃねえか。 |
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走って振り切れないのかな? |
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逃げるコースを機関銃で上手く塞いどるしここまで密度が濃いと移動もままならねえじゃろ。 |
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『神凪、反撃はできるか?』 |
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『無理』 |
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じゃとよ。 |
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なんという無慈悲な弾幕。 |
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そうこう言ってる間に黒羽さんがもうすぐ六堂さんのところに着きそうだけど…… |
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妨害がねえから流石に速いな。 じゃがそこまでよ!(がばっ |
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そのおもむろに取り出した押すといかにも爆発しますって感じのリモコンスイッチは何なの。 |
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そりゃーもちろん六堂の周りに仕掛けた爆弾のスイッチに決まっとるわ。 |
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カウント、スタート! |
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十! |
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九! |
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以下省略! 死ねい黒羽! |
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かちっ |
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どうせそんなことだろうと思ってたわよ…… |
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せいっ……! |
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ずどしゅっ |
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……… |
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……… |
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………何も起こらないけど? |
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黒羽のやつ、ダガー飛ばしてタッチの差で起爆ユニットをぶったぎりおったな。つまらん。 |
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どうして一瞬でそんな対処ができるわけ…… |
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だからおぬしらがひよっこすぎるだけじゃっつーの。 |
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あら、どうしたのですか黒羽さん。 |
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貴方こうも周りがうるさい中でよくのんびりと座ってられるわね…… |
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ここで大人しくしていろと宝鏡さんに言われましたので…… |
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まあミッションの都合で助けに来たわよ。 |
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そうなのですか。 |
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無能な戦友Aを確保! 離脱するわ! |
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うぃんうぃんうぃんうぃん、どーん |
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あ、大ジャンプ。 |
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神凪さんのほうを向いたまま飛ぶあたりがいかにもヴァルキリーね。 |
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もう少し距離を稼ぐまで背中晒して無防備になるのは流石に避けたいじゃろうからな。 |
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でも神凪さんは相変わらず何もさせてもらえてないし……このまま逃げ切りで終了? |
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そうなりそうじゃのー |
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よーし、ゲームセット。 黒羽月影組は難易度イージークリアな。 |
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イージーでしたね。 |
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イージーだったわね。 こんなのを失敗するバカがいるのなら顔を見てみたいわ。 |
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ここにいるぞ! |
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バカで悪かったわね! |
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まー、新型使ってりゃそれだけで上手くいくわけでもないってことじゃ。 |
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ねー |
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なんじゃい。 |
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ちなみに斑鳩さんの場合はどうやってこれをクリアするわけ。 それも一人で…… |
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んじゃー、次回は斑鳩を呼ぶか。 |