「あんだけ撃っても目標を一発も外さんか。山越えの曲射だっつーのにのう……」

「そんなに難しくない。こう……構えて、たん、たん、たん」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――神凪アイ、射撃訓練

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まだ続くんかよこの話。

あんたが始めたんでしょうが！

じゃっけか？

うん、メイが始めた。

さようか。

ならしかたねえの。

やっぱり年だから少しボケが

あ？

バゴーン！

………

………

……春風さんが消えた。

吹っ飛んでいったな。

相変わらず無慈悲なパンチ。

凄かったですね今のは。

飛んでいく春風さんの姿が全然見えませんでしたよ。

よし、静かになったから続きをするぞ。

やっぱこの人は死ぬべきなんじゃないの？

だろう？

えーと、残りは六堂さんと宝鏡さんと美澤さんですか。

さよか。

つーても六堂に聞いたところでまともな答えが返って来るはずもねえしのう……

そもそも誰かと組んで戦うということを理解できなさそうですね。

何せ単独で無敵すぎますし。

うむ……

なので残りは二人。

まずは宝鏡さんからさっさと回答してください。

そうさなー

まー、どう考えても斑鳩だわな。

へ？

ほう。

それはまたどうして……

斑鳩が最も優秀だからじゃよ。

それ以上の理由なんぞ必要か？

でもあんたらの相性って最悪なんじゃないの……？

最悪じゃな。

どだい斑鳩の方がわらわを死ぬほど嫌っておるしの。

ああ大嫌いだな。

じゃが目的を一つに組んで戦う限りは斑鳩は絶対に行動を間違えんじゃろ。

やることやってくれりゃそれで充分よ。

いちいち余計な指示を与えずともこやつは万事上手くやるじゃろうしな。

割り切りますねえ。

もっとも共通の目的を達成したら次の瞬間には背中から襲い掛かってきそうじゃが、それはまた別の問題よ。

というわけでわらわを毛嫌いするあまりに、ベストの選択を捨てて単なる人間砲弾の神凪を求める斑鳩と……

好き嫌いには拘らず斑鳩を選んでも良いと言うわらわ……

果たして一体どちらの方が懐の広いできた人物であるかは……言わずともわかるな？

………

………

………

………

おいなんじゃよその微妙なツラは。

言わないとわからんのか？

立派な人は気分でぽんぽん人をぶん殴ったりしないと思う……

寝言だと思って聞き流しておきます。

……さすがに誤魔化せんか、くそ。

そして最後は美澤さんだけど……

誰がいいかしら？

えー……

………

うーん……

美澤さんが悩んでいる。

仕方があるまい。

右を見ても左をみてもろくな奴がいないからな。

そのろくでもない奴らの中に貴女自身は含まれているのかしら？

当たり前だろう？

私も物分かりがいいというわけではないからな。

底抜けのバカどもに比べればマシだとは思っているが。

常識人の月影さんじゃダメなの……

月影さんとなら確かにある程度はうまくやっていけそうなんだけど……

わらわとか斑鳩に比べると頼りにならねーかもなーとか思ってんじゃろどうせ。

うぐっ

かといって三バカトリオの尻拭いも嫌でしょうし……

そんで一長一短を前に決めかねて、他の奴らが粗方回答し終えたにも関わらず今も頭の中で堂々巡りしとるとは優柔不断もいいところじゃな。

となると完璧超人を連れてくるしか……

パーフェクト黒羽あたりか？

確かにあの黒羽さんならまあ……

美澤さんは無駄に目が肥えちゃってるんじゃないですかねえ。

一番身近だったヴァルキリーが例の雨宮さんでは……

あんなの基準にしたら何も選べんじゃろ。

総合点であれの上を行けるのは斑鳩くらいしかいねえわ。

まあええわ。

美澤は無回答ということにしとくか。

おぬしはロクな相棒に恵まれぬままずっと一人で戦うがいい。

ぼっちファイター美澤としてな！

なんでそうなるのよ！？

で、これで全員終わりか？

だと思いますが………

……

あ。

どうしたよ。

黒羽さんの回答がまだのような……

そういえばそうじゃったな……

とはいえ黒羽のやつもどうせ適当な回答しかせんじゃろ。

三バカ以外なら誰でもいいとでも言うんじゃねえか。

まあそんなところだとは思いますが。

……ところで今回の調査は誰を選ぶかを尋ねただけであって、本当に最良の組み合わせではありませんよね？

まあの。

実際に何がベストかはなかなかわかるもんでもねえしの。

が……

が？

美澤だけは多分ガチよ。

素直に人を頼ったり利用することができなさそうじゃしな。

あやつは誰もアテにできん状況に放り込まれるか、一人でできるもん病が末期症状を呈した時が一番つええわ。

難儀な体質ですねえ。