「逃げたり、後悔したり、自分にできることをやらないってのが嫌いなだけよ」 ――美澤エレナ、同僚に向かって |
…… |
……誰もいないわね。 |
……誰もいないということは、どんなことでも言いたい放題ということかしら? |
普段から遠慮しているつもりはないけど。 ま、いいわ……適当にやりましょう。 |
普段ここではクズ共が訳知り顔で好き勝手に話をしているけど…… あの連中が実際どれだけ事情に通じているのかを暴露でもしようかしら。 |
まずは春風からだけど…… |
春風はバカよ。 頭の中は空っぽ。 はい、以上終わり。 |
次に六堂だけど…… |
六堂もバカよ。 頭の中はスカスカだわ。 |
ああ、けど六堂はごくたまに真実を語るわね。 いつもはアテにできないけど。 はい、以上終わり。 |
で、次は神凪。 |
神凪もバカね。 頭の中はがらんどうだわ。 |
ただ、神凪はヴァルキリー同士の戦いに関しては世界でも指折りの経験を持っているわ。 だからそのあたりを語る資格はあるのだけど…… |
神凪は話がとても下手なのよね。 結論は話すことができても理由についてはさっぱり説明できないわけ。 |
そのかわり神凪が出す結論そのものは非常に正確よ。 ヴァルキリー同士の戦いで予想屋をさせれば誰よりも優れた成績を収めることでしょうね。 なんか腹が立つけど。 |
神凪については以上よ。 |
で、次は美澤ね。 |
美澤は曲者かしら。 普段は生徒役をしていることが多いけど、あれでかなりの物知りよ。 少なくとも神凪や春風とは比べものにならないわね。 |
世間一般に公開されている範囲の情報については可能な限りで目を通しているわ。 ヴァルキリーの戦史や機体については特に重点的に勉強しているみたいね。 |
もはやヴァルキリーマニアと言ってもいいんじゃない? ただし好きだからではなく、勝ったり生き残るために仕方なく、だそうよ。 |
美澤については以上よ。 |
で、私は……神凪と美澤の中間くらいね。 ヴァルキリーの突っ込んだ技術面に関しては美澤よりも私の方が詳しいはずだけど。 |
とりあえず比較的若い面子についてはこんなところかしら。 他の連中についてはまたの機会に話すわ。 |