「忍耐……そんなものはどこかに置いてきた!」 「いやアンタたぶん最初から持ってないでしょそれ」 「なのかな?」 ――春風レンと同僚の会話 --------------------------------------------- |
忍耐…… |
忍耐か…… |
まあ忍耐といっても色々だと思いますが…… |
少なくとも一人はそんなもん微塵もねえやつがおるな…… |
春風さんですか。 |
ありゃもう幼稚園児にも劣るレベルじゃねえか? |
さすがにそこまでは…… |
……… |
……劣るかもしれませんね。 |
あやつの目の前に、あやつが欲しがりそうな食い物を少量差し出して、明日まで我慢すれば倍になりますと伝えたところでお構いなしにすぐ食うぞ。 |
食べるでしょうね。 倍くらいではおそらくノータイムで手を出しますよ。 |
十倍ならどうじゃろうな。 |
十倍ですか…… |
「へーそうなんだすごーい」とか顔と言葉だけは感心しながらも手は平然と伸びるんじゃないですか? |
清々しいくらいに理性と肉体が分離しとるな。 |
んじゃー、百倍はどうよ。 |
「よくわかんない」とか言いながらやはり手を出すかと。 百倍という数字になるとなんか面倒に感じて思考放棄に至るのでは。 |
どうしょうもねえのう…… |
でもさー |
ぬ? |
それって全部あんたらの想像じゃない。 春風さんが本当にそんな行動するとは限らないんじゃない……? |
確かに。 |
ふむ。 |
ならば実験してみるか? |
できるのであればした方がいいのでは。 |
実際に本人で試してみるわけ? |
んにゃ。 本人相手に同じシチュエーション繰り返すわけにもいかんしな。 別の手段を使うぞ。 |
人格シミュレーターでも使うんですか。 |
ちげえよ。 ちと待っとれ。 |
連れてきたぞ。 |
……… |
……… |
……… |
レンダヨー |
誰こいつ。 |
確かに春風さんそっくりですけど、なんか色が違うんですが…… |
こまけえことはいいんじゃよ。 こやつは春風と全く同じ行動をする量産型ドッペル春風じゃ。 |
ヨロシクネ!! |
声音もなんか怪しいような…… |
究極完全際限というわけにはいかんかったが実用レベルには達しておる。 とりあえずこれを何体か使って実験を行う! |
あっそ…… |
〜実験中〜 |
〜実験中〜 |
〜実験中〜 |
〜実験終了〜 |
……… |
……… |
……… |
まさか本当に想定通りの行動をするとは思いませんでした(白目) |
じゃな(白目) |
自分達で勝手に実験しといて何よそのリアクションは。 |