「私の力の使い道を私が考えても、たぶん、あまり、意味がないと思う」 ――神凪アイ --------------------------------------------- |
また忍耐ですか。 |
うむ…… |
とはいっても春風さんを除けば全員そこそこは我慢強そうですし、これ以上話すこともあまりないような…… |
でも六堂さんとかはどうなの。 |
あー…… |
あやつに忍耐があるのかどうかを確かめる術なんぞねえわ。 何せ忍耐を発揮する機会がほぼ皆無じゃからの。 |
なんでよ。 |
六堂は何事に対しても欲求が希薄なんじゃよ。 |
まあ確かに未来への展望とかそういうのもなさそうよね…… |
うむ。 故に明日の為に今を耐えることもない。 |
それに六堂はまともな人間じゃねえからの。 人としての本能を抑え付ける必要もないわけじゃ。 |
結局他の人とは条件が違いすぎてて比較のしようがないですね六堂さんは…… |
んだの。 |
じゃー、いちばん忍耐があるのって誰よ。 |
それは神凪じゃねえか? |
一度こうと決めたことを貫徹するパワーは抜群じゃろ。 その行動が合理的かどうかはともかくな。 |
必要とあらばどんな苦痛にも耐え、目先の誘惑を振り切って驀進する。 まさにメンタル重戦車よ。 |
問題は自分が今どこに向かってるのかを適宜調整する能力がほとんど無さそうなことですかね…… |
だからあやつはバカなんじゃが、それも利点ではあるんじゃよな。 いちいち他人の言葉に振り回されたり、自分のしていることに疑問を持って塞ぎ込むこともないからの。 |
まあ神凪はそんな具合として…… |
おぬしらについては特に何もないわなあ…… |
ですね。 |
そりゃ、まあ。 |
この優等生どもめ。 |
そう言うあんたはどうなのよ。 |
わらわか? |
……… |
……… |
わらわの辞書に、忍耐の言葉はない! |
はいはいソーデスカ。 |
嘘をこけ。 |
ぬ? |
必要とあらば百年でも二百年でも待つような存在こそが貴様だろうが。 |
そりゃそうじゃけどよー、いつもいつも我慢してたら身が保たねえじゃん? |
よってエンジョイする時はエンジョイよ。 |
そういえば前も似たようなことを言ってましたね…… |
うむ。 |