「他の人について説明する時は『イカれた仲間を紹介するぜ!』って言えばいいんだよね?」 「違います。それは別の世界の流儀なので真似しないでください」 ――春風レン、レッスン中 --------------------------------------------- |
心臓……… |
うむ。 |
心拍数がどうとか血流量がどうとかそういう話ではないですよね。 |
流石にそれはねえわ。 |
となると精神面の話ですか。 心臓に毛が生えているとかそういう。 |
おうよ。 |
とりあえずメンタル強めなのは誰でしょうね。 |
真っ当なタイプはおぬしや斑鳩だわな。 今更ちょっとやそっとの大舞台や鉄火場程度で余計な緊張なんかせんじゃろ。 |
単に慣れているだけではありますが。 手足がもげたりお腹に穴が開く程度ならあーまたかーで流せますね。 |
嫌な慣れじゃなおい。 |
そういう稼業ですから。 |
いずれにせよ何らかの危地やプレッシャーに追い込まれても大抵は"あの時よりはマシ"とか"失敗しても死ぬだけ"だの"自分に可能な努力は尽くしたので後は出目次第"あたりの考えが頭の中で勝手に持ち上がってきて緊張が緩和されます。 |
で、頻繁に大舞台に引っ張り出されたり大怪我負わされたりという点では神凪さんとかもそうだと思うんですけど、あの子はどうなんですか? |
あやつはなー……最初から緊張もクソもなかったからのう。 |
どんな大舞台でも顔色一つ変えずに戦いおる。 あるいは戦場で自分が死にそうになってもお構いなしよ。 |
なるほど。 つまり単純に頭がおかしいタイプですね。 |
あるいはヴァルキリーとなる更に以前にろくでもない目に遭っていたという可能性もあるな。 |
確かに。 |
好き勝手な推測をしとるんじゃねえよ。 |
では神凪さんのことは脇に置くとして……黒羽さんはどうなんでしょう。 |
……… |
……… |
あやつはダメじゃね? |
ダメそうだな。 |
ダメですか。 |
ダメじゃろ。 |
目的に向かって進む我慢強さはともかくとして、元々そんなに強靱なメンタルではねえのがなあ…… |
それでも頭のネジが締まっててテンション高い時は非常に良さそうですけど。 |
つまり上と下の差が激しいってことじゃろ。 |
そうなりますね。 |
だがまあ黒羽のやつもそこは自覚しとる筈じゃからな。 その弱点をどうにかしようと水面下で相当な手間暇を費やしてるんじゃねえか。 |
必死に自己暗示を掛けたり? |
うむ。 |
で、その結果があの偉そうな態度か。 |