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「剣豪は」 「斬り伏せます」 「射手は」 「矢弾を払って迫り、斬り伏せます」 「………」 「で、できますよ! なんで溜息つくんですか!」 ――真偶教育、カスミの場合 --------------------------------------------- |
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こんにちわこんにちわ! |
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こんにちは。 |
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ちわー…… |
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……… |
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……… |
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……… |
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何なのよ、この終わっている面子は。 |
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どしたの? |
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いや、このメンバーだとどう考えてもあたしがあんたら二人の尻拭いをやらされる感がひしひしと…… |
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細かいことを気にしてもしょうがない。 |
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それで今回は何の話をするのかね? ボクにもわかるようにしっかりと説明してくれたまえよチミ達! |
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えっらそーねあんた…… |
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今回はボーナスについて、らしい。 |
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ボーナス? |
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お金のこと……? |
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ではない。 私たちのパワーに関するボーナス。 |
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ほうほうほほほう。 |
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何よそれ…… |
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ヴァルキリーの力は、機体と、装備している人の力だけで決まるわけではない。 |
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そうなの? |
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マジで? |
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……らしい。 |
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それはどこ情報なのかね神凪隊員。 |
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メイ情報。 |
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宝鏡さんがそう言ってたわけ? |
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……正確にはメイのメモ書き情報。 |
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んなもんどこで手に入れたのよ…… |
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メイのワンピースの裾からポロっと落ちたのをひろった。 |
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そして、それをキミはネコババこいたというわけか。 このけしからんやつめ! |
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行きがかり上、結果的にそうなってしまった。 |
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ならば仕方がないな。 ここは大事なメモを落とした宝鏡さんがマヌケ野郎だったということにしようじゃないか! |
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それでいいと思う。 |
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いや、よくないでしょ…… 後できちんと返しておきなさいよ。 |
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それは勿論。 |
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……で、他には何が書いてあるのよ、そのメモには。 |
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百聞は一見になんとやら。 自分で読めばいい。 |
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どれどれ…… |
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……… |
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んんん? |
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何よこれ。 |
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メイのメモ。 |
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いやこれメモというか、そもそも紙じゃないというか、質感も手触りも何もかも怪しいんだけど…… |
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そうやって顔背けてたら読めなくない? |
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なんか読んだら凄くダメージ受けそうで…… |
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大丈夫、すぐに慣れる。遠慮はいらない(グイー |
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人の頭掴まないでよ! こんなの無理矢理読まされたくないから! それにすぐに慣れるってなに!? |
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まったく往生際が悪いな美澤隊員は! |
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だったらあんたが読みなさいよ! |
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えー? やだ。 |
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なんという自分勝手な。 |
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だって嫌な予感がするもん。 |
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とりあえず神凪隊員はそのまま美澤さんの頭をホールドしといてよ。 ボクがメモを美澤さんの顔の前に持っていくから。 |
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ラジャー |
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ちょ、やめなさいよマジで! |
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もはやのがれることはできんぞ美澤隊員! |
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……… |
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何をやっとるんだ貴様らは…… |
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あ、斑鳩さんだ。 |
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いま美澤さんに宝鏡さんのメモを無理矢理見せる遊びをしてるんだけど、混ざる? |
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あのな、私がそんなくだらん遊びに混ざるわけ |
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……… |
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………宝鏡のメモだと? |
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その通り。 |
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よし、ならばそれは私に見せろ(ひょい |
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あ、とられた。 |
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なんと手が早い。 |
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もういいでしょあんたらいつまであたしを拘束してんのよ! |
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そだねー |
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神凪さん、美澤エレナは釈放だ! 手を離してよし! |
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了解(ぱっ |
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成る程、確かにこれは本物だな。 |
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吐いたり目眩はしないの? |
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この手の物には慣れている。 |
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すごい。 |
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神凪さんは吐いたの? |
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少し…… |
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あんた、んなもんをあたしに読ませようとしたわけ…… |
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吐く程度で済めばいいがな。 |
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神凪とて宝鏡に拾われた以上は、これまでにも怪しい危険物に触れる機会がそこそこあったと思うがどうだ。 |
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否定はしない。 |
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となると耐性ゼロの美澤の場合は、さて、どうなるだろうな。 目が潰れるか、正気を失うか、突然死するか…… |
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さすがにそこまで悲惨なことにはならんか。 一応ヴァルキリーであるならば寝込む程度で済むか……? |
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あのさあ……そんなに害のある危険物なら、いっそ誰の目にも付かないところに処分すべきだと思うんだけど…… |
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だろう? |
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……… |
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……は! |
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や、だからといってあんたと同類になるのとかはお断りよ! 自分の人生投げ捨ててまでヴァルキリー撲滅運動とか断じてゴメンだから! |
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そうか。 |
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でさー、結局そのメモには何が書いてあるのさー |
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説明して欲しいのか? |
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私は読んだけどよくわからなかった。 |
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まあ構わんが…… |
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続きは次回? |
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ああ。 |
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……今回は結局何も進んでないような。 |
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神凪、春風、美澤なんて面子で始まったんじゃ仕方ねえじゃろ。 |
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訳知り顔でべらべら喋るだけしか能が無いクズでも、いなければいないでと困るというわけね。 |
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さぼってばっかりのおぬしに言われたくねえわアホ。 |