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「未来視への対処？ んなもん簡単じゃよ。例えば、そうさなー……

　明日絶対に死ぬと全てを賭けて誓ってみ？ 目くらましには充分じゃろうよ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――宝鏡メイ

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電車か何かの話？

なんでよ。

だってタイトルが乗り換えとかなってるし……

違うわよ。

私達が使っている機体の話よ。

ああ、そっちね……

でも機体の乗り換えなんてそう簡単に起こるものなの？

んー、そうねえ……

正確な数はわからないけど、ヴァルキリーになってから引退するまでの間に乗り換えを経験する娘は二割もいないんじゃない？

結構少ないのね。

そりゃそうよ。

平均的なヴァルキリーは二年か三年で引退するもの。

最初から最後まで同じ物を使わせとく方が無難でしょ。

適当な国が新型機を導入する場合も大抵は徐々に入れ替えを進めるわ。

現役の子達には旧型機をそのまま使わせ、新型機は新しく入ってきた子達に割り当てていくのよ。

ただし装備更新の進め方というのはそれこそ国情によりケースバイケースなのよね……

旧型機がゴミのような性能なら多少の習熟コストなんて度外視よ。

そういう場合は現役連中にも新しい機体へと乗り換えさせる、と……

ええ。

で、他に乗り換えが必要となるケースは、そうねえ……

どこか別の国へと亡命したら乗り換えが発生することもあるわね。

ヴァルキリーが亡命する際は機体ごと持ち逃げするのが殆どだけど、それが亡命先の保有する機体に著しく劣るのであれば乗り換えさせられたりとかね。

あとは乗り換えとは少し違うけど、訓練で仮想敵としての役割をこなすために他所の国の機体を装備する場合とか、新型機の開発過程で様々な機体を使わされるとか。

といっても亡命にせよ、アグレッサーにせよ、テストパイロットにせよ、どれも一部のヴァルキリーしか縁の無い話よね……

だから大半のヴァルキリーにとって乗り換えは滅多に起こることじゃないのよ。

それでも昔に比べれば機会が増えているのは確かなんだけど。

それはまたどうして。

新型機の開発サイクルが昔に比べてどんどん短くなっているから。

第三.五世代機や第四世代機はかなり早期に登場するのではとも言われているわね。

まだ第三世代機が登場し始めたばかりじゃないのよ……

あくまで気の早い人達の与太話でしょうけど。

まあそれはそれとして……

乗り換えそのものは難しいことなの？

慣れるまでの労力とかそういうの。

そのあたりは元々使っていた機体と新しい機体の差によるわね。

一般論としてはよりクセの強い機動性や武装を持った機体への乗り換えほど面倒よ。