「えーと、ここからここまで、全部」 ――美澤エレナ、メニューを指差し |
何よこのタイトルは。 |
見たまんまだけど、それが何か? |
前回までと比べて一気にしょーもないネタになったわね…… |
気楽なのもいいじゃない。 |
で、誰から解説しましょうか? |
言い出しっぺのあんたからにしなさいよ。 |
私の食生活なんて面白くもなんともないわよ。 平時は食堂でバランス良く常識的な量を摂っておしまいだもの。 |
平時じゃなければどうなのよ。 |
非活性地帯での作戦行動中なら戦闘糧食が続くこともあるわね。 |
昆虫とか爬虫類食べたりはしないわけ? |
食に関してそこまで切羽詰まった状況に追い込まれたことはないかしら。 若い頃に訓練で色々食べさせられたことはあるけど、それっきりね。 |
まあそんなものよね…… |
だからさっさと私以外の子の話に移るわよ。 んー……まずは春風さんあたりでいいかしら。 |
いいんじゃない。 |
春風さんはねー、はやい、うまい、を尊ぶわ。 |
は? |
注文してすぐ出てきたり、あるいはすぐに封を開けて食べられるものが好みってこと。 それ以上待たされたり手間がかかるのは嫌いみたいよ。 |
えーと…… つまりファーストフードと間食の王者? |
そういうことね。 ヴァルキリーになる前は、はやい、うまい、やすい、の三拍子だったみたいだけど、今は値段には拘らなくなったそうよ。 |
滅茶苦茶稼いでるものねあの子…… |
お腹がへったらすぐに食べるのがあの子の正義。 だから鞄の中には常にお菓子がいっぱい入ってるわ。 |
ダメな食生活の典型じゃない…… |
ええ、ダメね。 |
ちなみにあの子の胃袋を喜ばせたければビュッフェ形式の食事に連れて行くのが一番だから。 |
既に出来上がっている物の中から好きに選べばいいから一番はやい、ってことね…… |
そうよ。 |
やっぱりあの子はアホの子なんじゃないの? |
アホの子でしょ。 |
じゃー、次は誰? |
神凪さんにしましょうか。 |
で、神凪さんはねー、乾いた食生活してるわよー まあ基本的には私と同じなんだけど。 |
官舎の食堂でバランス良く食事して終わり? |
ええ、終わり。 おまけに私語も一切無し。 ただ食事して終わり。 |
せめて同僚と会話でもすればいいのに……って、神凪さんに同僚なんかいるのかしら。 |
そりゃ専属のスタッフは何人もいるけど、えーと、ヴァルキリーの同僚ってこと? |
そうそう。 |
食事の時に集まって和気藹々とするような面子じゃないわよ。 軌道の法廷は数人のエースを抱えてるけど、その中では神凪さんがまだ一番人間味があるって話だし…… |
それ、何のギャグよ。 |
他の娘はそもそも精神的にアレで意思疎通が困難とか、普段はチューブに接続されてて出てこないとか、眠ったまま活動するとか、そんなのだもの。 |
だから神凪さんばかりヴァルフォースに駆り出されるわけ。 他は一見してヤバい娘揃いだから外に出したくないそうよ。 |
まあ神凪さんはそれでいいとして…… 次は美澤さんについて話しましょうか。 |
あたしのことなんかどうでもいいじゃない。 |
よくないわね。 それを決めるのは貴方じゃなくて私よ。 |
ぐっ…… |
とりあえず貴方、沢山食べるそうじゃない。 |
……わ、悪い? |
いや、全然? 悪くなんかないわよ。 みんな特筆することなし、じゃつまらないもの。 |
普段は人並みにしか食べないわよ。 |
やけ食いとかする時が凄いわけ? |
…… |
なるほどねー…… |
で、そういう時はどれくらい食べるのよ。 |
か、かなり。 |
もうちょっと具体的な表現をしなさい。 |
い、言わないわよ。 絶対にドン引きされるもの。 |
つまりドン引きされるくらいには凄いわけね…… |
はいはい終わり終わりこの話はおしまい! |
はいはい。 |
じゃ、残りの人達については次回にしましょ。 |