「えーと、要するに中古品? だよね? だよね?」 ――春風レン、理解していない顔で |
前回の続きからじゃの。 |
現物の最後のタイプについてよね? |
うむ。 世界系についてじゃな。 |
随分と大層な名前だけど…… 一体どんなのよ。 |
どんなのか、じゃと? 今日び世界系の実物など映像越しであれば簡単に見られるぞ。 おぬしも六堂の羽を見たことがあるじゃろ。 |
え? あれがそうなの? |
この世に現存しているただ一つの世界系がアレじゃよ。 あくまで人類の既知領域に限っての話ではあるが。 |
で、じゃ。 世界系は他のタイプと異なり、外見の特徴を元に分類されることはない。 |
だったら何を基準にして見分ければいいのよ。 |
圧倒的に強力か否かよ。 世界の全てを注ぎ込んで造られたとしか思えぬような代物こそ世界系と称される。 |
それはそれで凄くアバウトな区別ね…… |
世界の全てというのはちと言い過ぎじゃがの。 それでも由来の知れているモノだと星一つを圧縮して製造されただの、そんな具合じゃからな。 |
じゃあ六堂さんのやつは一体何が原料なわけ。 |
第六世界の素性はわからん。 だいたい世界系なんぞわらわにとっても御伽噺のような時代に造られたものばかりでな…… 信頼できる記録が残っとるほうが珍しいわ。 |
そして第六世界の性能についてはこれまでも度々言及しとるが超絶の一語に尽きる。 完動状態かつ然るべき使い手を得た世界系を打ち倒すことなど不可能よ。 |
でも五分に渡り合った人間がいたとか月影さんに説明してなかった? |
そんなん例外中の例外じゃしのう…… 無限成長と累乗殺戮の異能を備えた上で百億程度の人間を殺して己を強化してたからな。 そこまでやったのであればそりゃ世界系にも迫れるわ。 |
もうわけのわからない領域ね…… |
……さて、これで一応は全てのタイプについて説明したわけじゃが何か質問はあるか? |
んー 今現在の技術で凄く大きなタイプの機体を造ることってできるの? たとえば宝鏡さんが使ってるようなメカをスケールアップさせたものとか。 |
そうさなあ…… 無理をすればできんこともないが使い物にはならんじゃろうな。 |
他にはそうね…… 現物にはそれぞれ名前がついてるわけ? |
ついとるぞ。 型名で一括りにされているものもあればユニークネームを持つものもあるな。 まー、物によりけりよ。 |