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「こんなに食べられるわけないでしょうがーーー!!」 ――美澤エレナ、雪崩を起こすチョコを見て |
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チョコレート… |
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そ、チョコレート |
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…なぜ? |
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友達にあげるチョコ、友チョコなのだー |
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……カロリー源 遭難時などに有効。便利 |
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いや、そういうのじゃなくて… 遭難しなくても食べてね? それじゃまたねー! |
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…… |
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……… |
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…………ぱくっ |
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……… |
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わ、渡したからね! 後はご自由に! それじゃねーーー!! |
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…… |
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……… |
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…………ゴミ箱はどこかしら |
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ほう、チョコレートか そういう文化もあったのう |
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いつもお世話になってます! |
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あまりお世話した気はないんじゃが、そういう真摯な心がけ、嫌いではないぞ うむ、美味かった |
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はやっ!? 今どのタイミングで食べる隙あったの!? |
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これくらい、食事のうちに入らんわ |
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な、なんか複雑な気分 |
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ん?ちゃんと味覚情報はいただいたぞ 美味かったと言うておろうが |
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ま、まぁいいや それじゃーねー |
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……… |
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(ナ、ナガレさんとセツナさん苦手だよう…) |
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おい、春風 |
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は、はい!? |
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体質的に、私に毒殺は効かんぞ |
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しないよ!!! |
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はー…。 次は六堂さんだけど…。 |
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多分「ちょこれえととは何でしょう?」とかだよね… そもそもご飯食べないらしいし 無し無し!次! |
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あらあら、ありがとう |
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いえいえー お菓子についてならまかせてください! |
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つまり、私の部下になるために亡命してきてくれるってことよね? 助かるわ |
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え、いや、だから… |
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本当にうちは人材不足なのよ 部下は素直は素直でいい子たちなんだけど、やっぱりこの職業は素質がものを言うから… |
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素直で素質もある春風さんなら大歓迎よ お礼返しは何がいい? 私が約束できる地位は… |
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そういうのじゃないですから! |
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冗談よ、冗談 |
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目がマジでしたけど… |
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うぐっ…… |
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すっごい嫌そうな顔された… |
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この時期にチョコレートって… あんたたち、どれだけあたしを太らせたいのよ! |
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たち? |
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学校の連中が、何でか知らないけどみんなくれるのよ! 毎年消費するのがどれだけ拷問か… |
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はー、モテそうだもんねー… 女の子に…(ぼそっ |
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聞こえてるわよ! |
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そんなに大量にもらっちゃうなら、食べずに捨てればいいんじゃないの? |
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ぐっ… |
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あー、甘いものは好きだから、食べたいには食べたいと なるほどねー |
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違うわよ! |
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人から好意でもらったものを捨てるわけにいかないでしょ! 何かみんな、えっらく中身凝ってるし! |
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うわー、律義ー… |
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美澤さん自身は、誰かにあげたりしないの? |
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大きなお世話よ!! あんただってあげる男がいないから、寂しく友チョコ配ってるんでしょうが! |
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え? ボクはちゃーーんと本命を贈る相手がいますー |
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嘘!? |
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パパ! |
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…………あ…そう… もうつっこむ気も起きないわ… |