「今件、お主がヴァルフォース挑まれても法廷は手助けせんからな。」 ――呆れ顔のメイ。レンへ向かって |
では、前回の続きじゃ。 春風が、国家企業法廷執行局のエンフォーサーと轡を並べることもあるのは何故か。 という話じゃったな。 |
はい! |
そもそも、執行局が活動するのがどんな時か。という話からするとしよう。 美澤、分かるか? |
えーっと、ヴァルフォースの権威を落とすような争いへの強制介入ですかね。 |
うむ。 基本的に抗争が起きた場合、当事者同士に戦ってもらうのが原則じゃ。 だが、大国が小国を一方的に押しこめようとしていたり、筋の通らん言いがかりでヴァルフォースをしたりしようとしている場合は例外というわけじゃな。 |
これを放っておくと、ヴァルフォースは単なる暴力装置になってしまう。 そうなれば、ヴァルフォースに参加しないという国が続出し、またガチ戦争が頻発する世界に逆戻りよ。 |
ヴァルフォースが尊重されている必要があると。 |
ヴァルフォースみたいな「勝負」で喧嘩の決着がつくなら、そのほうが良いよね。 |
うむ。これが執行局の活動の一つというわけじゃな。 |
一つ? 二つ目があるの? |
うむ。 |
ヴァルフォースに敗れた時、納得せず暴れる奴もいる。 そういう奴は、大抵ガチの戦争の方に逃げるもんじゃ。 |
あるある。 |
うわー、潔くないなぁ…。 |
当然、ヴァルフォースの結果を無視するような奴にはお仕置きが必要なわけじゃ。 そうせんと、ヴァルフォースの権威がこれまた落ちてしまうからのう。 |
その際、国家企業法廷執行局は各国に応援を呼び掛けることがあるんじゃ。 |
あ、そうなった時に…。 |
うむ、春風や美澤といった、各国のヴァルキリーがレンタルされることがあるというわけじゃな。 |
んー、うちの国に利益が無いんじゃないですか? |
そうでもないぞ。 おぬしの国のようなヴァルフォース大国は、ヴァルフォース制度が崩れると大きな損失じゃ。 むしろ喜んで手駒を差し出すタイプじゃよ。 |
人の苦労も知らないで…。 |
くくっ…。 まぁ大抵の所属国家、所属団体は、国家企業法廷執行局に恩を売る意味でも参加を表明してくれる。 実際この連合軍に滅ぼされた国もあるのう。 |
それって、よっぽど暴力装置じゃないの? |
ふん! 勝つつもりでヴァルフォースに参加しておきながら、負けたら手のひら返して駄々をこねるような奴じゃよ? 慈悲などくれてやる必要はなかろう。 |
と、国家企業法廷執行局はこんな感じの仕事をしておる。 なかなかの正義の味方じゃろう? |
はーい、分かりましたー、宝鏡長官! |
正義ねぇ…。 |
んー…。 |
何のかんのとお人よし、美澤レッド! |
ちょっ…。 |
ちょっと無口、神凪ブルー! |
ブルー…。 |
怖くて根暗、黒羽ブラック! |
…おっ? |
カレー大好き、六堂イエロー! |
そんな話、聞いたことないわよ!? |
みんなのアイドル、春風ピンク! |
お呼びとあらば即参上! 法廷戦隊ジャッジメント! |
人生楽しそうね、あんた…。 |
…。 |
あー、春風よ。後ろ。 |
何? |
……。 |