「信義と友情を尊び、熱く燃えるように生きるのが鳳凰寺に生まれた女の本懐。 いまさら我が身可愛さに逃げ出す気などサラサラありませんことよ?」 ――七姉妹・鳳凰寺キサラ、敗戦前夜に |
前回の続きからよ。 |
編成についてだっけ? |
そうよ。 今回は適当に有名所の部隊でも適当に挙げていくわ。 |
ろくでもない奴らばっかりじゃないでしょうね…… |
どれも実際に遭遇したくないという点ではろくでもないのばっかりねー |
まずは軌道の法廷が擁するオービタル・クインテット。 エースの中のエースだけで編成された最強の五人組よ。 |
それ、常に五人なわけ? |
そうでもないわよ。 以前はカルテットって呼ばれてたし。 |
つまり以前は四人だったわけね…… |
セプテットだったこともあるわね。 |
その時は七人と…… |
オービタル・クインテットの特徴は、とにかく一人一人がでたらめに強いこと。 |
強いってどんくらいよ。 |
全員が神凪さんとか斑鳩さん並よ。 |
うげぇ…… |
個々の強さだけを重視して編成された部隊だから彼女達にチームワークなんてものはないわ。 そのかわりに全員が暴力的なスタンドプレーで相手を叩きのめす……と、言われているわね。 |
……言われている? |
だって、ねえ…… 彼女達が五人揃って作戦行動したことなんて殆ど例がないもの。 |
過度に怖がられてるだけで実は大した事ないんじゃないの。 |
それはないわよ。 一人一人がバケモノだっていうのは既に確認されてるし。 |
あっそ…… |
で、部隊として次いで有名なのはオルニックの騎士団かしら。 |
何よそのレトロな名前。 |
オルニックは今でこそ企業国家の一角を占めるけど元々は王政の国家だしね。 その時の名残を現在にも残しているのよ。 |
騎士団の定数は十五人。 七人の正騎士と七人の従騎士、そして一人の筆頭騎士で構成されるわ。 正騎士と従騎士はそれぞれペアを組むのが通例よ。 |
オルニックは通常の部隊を他にも複数持っているけど、中でも騎士団は最精鋭という位置付けね。 |
団長とかはいないわけ? |
いるわよ。 大抵は軍歴豊富で爵位を持つようなおっさんが任命されるわ。 |
ヴァルキリーじゃないんだ。 |
子供に全体の指揮を執らせるのは無茶があるわよ。 スポーツに例えるなら団長は監督で、筆頭騎士はメンバーの中でも中心的役割を果たす司令塔ね。 |
まあそれもそうね…… |
そして騎士団の特徴はチームワークと士気の高さにあるわ。 二人一組が基本形だけど、状況に応じて的確にフォーメーション変えてくるのよ。 |
実際に相手をすると凄く疲れるわよ。 まるで倍の数を相手にしているような感覚に陥るもの。 |
戦ったことあるんだ…… |
何年か前にね。 その時のメンバーはもう殆ど残っていないでしょうけど伝統はそうそう変わるもんじゃないわよ。 |
他には、そうねー…… 過去の話だとアウトランドの七姉妹も有名といえば有名ね。 |
彼女達の活躍を見た各国は、ヴァルキリーは七人を一つとするのがベストなのかもしれないと試行錯誤したし。 |
ちなみに那岐島やナンバーナインといった他のメガコーポもそれぞれ精鋭と呼ばれるような部隊を持つけど……それはまた機会があれば話すわ。 |