「ところで、あの飛び回っている方はなんというのでしょう」 「あれは黒羽ナガレというバッタの一種です。叩けば簡単に落ちます」 ――六堂マリアと流星スバル、試合を眺め |
ほう、流石だな。 |
…。 こんなところで何の用? ヴァルフォースの見物なんてあなたには似合わないと思っていたけど? |
あのヴァルキリーも相当な手練だったはずだが、傷一つ無しと。 それも『お兄様のヴァルキリー』のおかげかな? |
何が言いたいのかしら。 |
いや? 別に他意は無い。素晴らしい機体だなと褒めている。 |
この世であまりに珍しい六発機だ。 コア封印を求める私が興味を持つのも当然だろう? |
それに引き換え、あなたの機体はゴミみたいなものね。 |
これからはあなたのこと、ゴミって呼んでもよろしいかしら? |
ふふ、まぁこれでもなかなか使い道のある良い機体だ。 『当てればどうということはない』 |
『当てられれば』ね。 |
所詮、機体など動かす者しだいだ。 使い手の思い通りに動くのが、良い武装だ。 |
その点、乗り手に負担をかけるような機体は屑だろう? |
……ええ、その通りだわ。 そんな屑みたいな機体、世の中にあるのかしらね? |
さぁ? どうだろうな? |
くだらない時間を過ごしたわ。 どいてくださる? |
…、そうだな。 是非戦ってみたくはあるが…。 |
私にメリットが無いわ。 勝手に狩猟者を気取ってなさい。 |
ふっ。まぁ良い。 では、そのうちな。 |
…。 |
おっと、忘れていた。 |
私は、『黒羽ナガレという人間の能力』を非常に買っているぞ。 流石だよ、貴様は。 |
…っ! |
勝者に称賛を送るのは人としての礼儀だろう? では、またそのうちな。 |