「もう墨塗る場所が無いよ?」 ――春風レン、猪武者を前に |
明けましておめでとうございます! |
明けました。 |
か、神凪さん? |
年が明けた事実を明確に伝えた。おめでたいかどうかは分からない。 |
いや、おめでたいんだよ! だってお年玉がもらえるんだよ!? |
落とし弾……? |
うわー、この子ベタだー、ホントにベタだー! |
いい? お年玉っていうのは、大人の人から子供がお金をもらえるってことなの! |
おおっ! |
……プリン。 |
買えるよ! |
!! |
お年玉ください! |
ください。 |
な、なんじゃ? いきなりどうした。 |
……。 |
何このレアな組み合わせ。 |
レアチーズケーキ。 |
……また今度来るわ。 |
おい、黒羽。 |
黒羽さん、あけましておめでとうございます! |
……。 |
ありゃ、飛んでいっちゃった。 |
やれやれ……。何しにきたのやら。 |
宝鏡さん! 今年もよろしくお願いします! |
お願いされます。 |
おい、春風。明らかに開幕の一声と順番逆じゃよな? あと神凪。後で折檻な。 |
遠慮する。 |
ったく。 で、なんじゃ、お年玉? |
お前ら、金はごまんとあるはずじゃろ。 ヴァルキリーへの支給金がどんだけあると思っとる。 |
気分の問題です! |
お年玉……。 |
まぁ良い……。 ほれ、無駄遣いすんなよ。 |
わーい♪ |
少ない……。 |
折檻な。 |
家族が健やかにすごせますよーに。 |
……折檻されませんよーに。 |
……。 |
何やっとんじゃお前ら……。 |
巫女さんが居たから、とりあえず祈ってみました! |
……春風よ。 別に私は巫女ではない。 |
うっそだー! どう見ても巫女でしょその格好。 |
そう言われてもな。 で、あれは何だ。 |
うおりゃああああああああああああ!! |
ほほほ、そーれ。 |
がああああああああ!!! |
はい、逆サイド。 |
きいいいいいいいいいいい!!! |
羽つきでしょ? |
無様。 |
さっきわらわの所に挨拶に来おってな。 その後なんか知らんが勝負の流れにになったんじゃ。 |
あらあら、みなさん明けましておめでとう。 よっと。 |
とれるかあああああああ!!! |
あ、死んだ。 |
あらー、月影さん圧勝って感じ。 |
あの新機種娘は機体性能だけだな。 |
美澤よ……。 お前、事前準備が無いと本当に馬鹿じゃのう。 |
左右に打ち分けられてるだけだったのに……。 |
あの横移動性能の悪さは欠陥ではないか? |
何をなじんどんじゃ、おぬし。 |
単なる敵情視察だ。 貴様らはぬるいからな。堂々としていても襲いかかってこまい? |
別に構わんからのー。 |
あらあら、新年から巫女さんとはねー。 ありがたやー。 |
……。 用事は済んだ。さらばだ。 |
ありゃ、行っちゃった。 |
ほんとに、彼女は神出鬼没ねー。 |
限り無い温度差を感じるのは、わらわだけか? |
ぜえぜえ……。 |
美澤さん、あけましておめでとー。 |
無様。 |
……。 |
さて、初詣でもするかのう。 |
あなたに信心があったのが意外すぎるんですが。 |
行こう行こう! |
ちょ……、待ちな……、ぎぎ……。 |
無様。 |
いやな、別に行く気はさらさらなかったんじゃが……。 ほれ。 |
あの、ここどこでしょうか? |
六堂さん! |
……お年玉ください。 |
ほらな? 現人神が来てるから、お前らにはちょうどよかろ? |
な、なるほど……。 |
ありがたやー、ありがたやー。 |
南無南無……。 |
あのー、懺悔でしょうか? |
初詣の対象ではない気がするんですが。 |
本物の神なんぞおらん。 |
あなたが言うと深みがありますねぇ……。 |