「お前ね、マリア様に嘘をお教えするのは止めろと何度言ったらわかるんだい!」 「マリア様のことを思えばこそ、ですが?」 ――流星フレアと流星スバル、教育方針を巡って |
へーい、六堂さーん! |
……? |
……お呼びですか? |
うん、呼んだ呼んだ。 背中にゴミがついてるよ? |
まあ…… |
取ってあげるからちょっとそのまま動かないでいてくれる? |
わかりました。 |
(こそこそ |
(ふわふわ |
……… |
ぐわし |
(すたたたた |
よし、とれたー |
お手数をお掛けしました。 |
もう動いてもいいですか? |
うん、いいよー それじゃボクはもう行くねー |
はい。お元気で。 |
………… |
まー、最初からゴミなんかなかったんだけどね? |
それで首尾はどうかな神凪隊員! |
ぬかりはない。 六堂さんが春風さんに気を取られているスキに一枚もらってきた…… |
……… |
でかしたぞ神凪隊員! |
でも、こんなものを持ってきてどうするの。 そもそもこれは泥棒だと思う…… |
だって前に相撲やってた時に喋ってたじゃんこの羽。 神凪さんも気にならない? |
今時会話型のデバイスなんか珍しくないと思う…… ヴァルキリーでは滅多に見ないけど。 |
ボクも最初はそう思ったんだけどねー あの日のライフレコードを見返したらその羽の音声が残ってなかったんだよ。 もちろん電波の検出もなし。 |
ほうほう。 |
つまりその羽は普通の手段で喋ってはいなかったのだ! |
なるほど。 今日の春風さんは頭が回る…… |
というわけで早速話し掛けてみようよ! |
どうぞ。 |
こんにちは! |
……… |
……… |
へんじがない。 |
うーん……寝てるのかなあ? |
こんな無機物が寝たりしないと思う…… |
神凪さんちょっとこれ叩いてみてよ。 ごつんごつんやれば起きるかもしれないし! |
わかった。 |
むんず |
……… |
ぽーん |
え、なんでそんなに高く放り投げ…… |
(すちゃ |
どぅんどぅんどぅん! |
いやいやいや全力で撃てだなんて言ってないから! |
ごつんって言ったからこれぐらいが丁度だと思った。 |
どしゃり |
……… |
あ、落ちた。 |
おかしい。思いっきり撃ったのに傷一つ付いてない…… |
うんともすんとも言わないねー |
……… |
は! |
どうしたの |
ボクのどどめ色の脳細胞が導き出した結論としてはね…… この羽は鼻の役目をしてて、口の役割は別の羽がしているという説はどうかな! だから喋らないんだよきっと! |
どう考えればそういう結論になるのかわからない…… |
だって実際に喋らないんだからそれしか考えられないじゃん。 |
……… |
さっきから何なのよ、もう…… |
人のことを盗んだり叩いたり鼻扱いしたり…… |
鼻がしゃべった! |
いや違う違う。 |
ところでキミだれ? |
いきなり随分なご挨拶じゃない。 |
でも、そうねえ……んー、神でいいわよ。 |
えー? 神なんていないってこのまえ宝鏡さんが言ってたよ? |
何言ってんのよ。 神なんてそのへんにゴロゴロしてるじゃない。 だから私もそれでいいのよ。 |
適当だねー |
でもあながち間違ってはいないと思う…… 六堂さんは自分の国では神と崇められているはず。 |
私としてはどうでもいいんだけどね。 いちいち呼び方考えるのも面倒だから神と呼ばせてるみたいな? |
ふーん。 |
ま、いいや! でもせっかく神様がいるんだったら色々聞いてもいいかな? |
いいわよー? でもね…… |
今回は時間切れ。 続きは次回。 |
うわ唐突! |