「耄碌したねえ……もうピンホールショットはあたしにゃ難しいよ」 「お祖母様、スマートリンクも無しで今までそれを出来ていたのが変です」 ――流星フレアと流星スバル、シューティングレンジにて |
……前回の続きから。 |
続きー |
続きよー |
……… |
で、どうして私まで混ざらなくちゃいけないわけ? |
だってボクと神凪さんはこの手の話サッパリだもん。 一人くらいはかしこさの高い人が必要かなーって。 ネジさえ飛んでなければ黒羽さんは抜群だもんね! |
一緒にしないでほしい…… |
あっそ。 |
で、あなたカミサマなの? |
そういうことにしてるわ。 |
……つまり違うけど、カミサマ扱いさせているというわけね。 そうすることで一体何を得するのかしら? |
まあ、色々? |
結局キミって何者なのさー |
見たまんまじゃないかしら? マリアの使っている武器よ。 |
ならもう少し具体的に質問をするわ。 ……ミリシアとは貴方のこと? |
ええ、正解。 |
ミリシア? 誰それ? |
一つの大陸を完全に掌握し、厳重な鎖国体制を敷くミリシア教国。 その国における神の名前よ。 |
そうそう。 よろしくね? |
なのにそんな軽くていいの…… |
だって普段はマリアの従者相手くらいしか喋らないもの。 |
……… |
どうしたのよ。 微妙な顔をして。 |
ミリシア教国ってなに? |
先程ついでに説明してあげたばかりよね? |
そうだけどさー、もうちょっとくわしく。 |
じゃあ手短に話すわよ。 |
現在のミリシア教国が存在する大陸は、元々幾つもの国家に分かれていたのよ。 けれどヴァルキリーが登場したところでその全てが戦乱に巻き込まれたわ。 |
この時の争いは、同時期に別の場所で起こったものよりも頭一つ抜けて酷かったと聞くわね。 何せ大陸の人口が三割にまで減ったと言われてるくらいだもの。 |
そんなに減ってないわよ。せいぜい四割くらい? |
その争いがどうやって終わったかといえば、当時大陸に存在した小国家の一つが滅亡寸前土俵際一杯のところから、突然彼らの言うところの神の加護を得て短期間の内に大陸全土の制圧を成し遂げたからよ。 |
大陸統一後、その小国家は自分達に加護を与えた神の名を国名に冠し、ミリシア教国となったわ。 そして間もなくミリシア教国は海上に通過不能の障壁を築き、鎖国体制に入ったのよ。 |
だいたいそんなところね。 |
そういうわけでミリシア教国は現在の世界において最も謎の多い国家よ。 内部に関する情報が殆ど外に漏れてこないから。 |
ミリシア建国戦争の過程にしたって、彼らの言うところの神が現れてからは、大陸の外へと向かう電波が完全に遮断されてたせいで詳しい経緯が殆ど知られていないわ。 |
そして、そこの羽が本当にミリシアだというのなら、全部そいつのせいでしょうね。 |
Zzz…… |
込み入った話を春風さんにしてはいけない。 すぐにこうやって寝る…… |
それはいいことを聞いたわね。 試合の際には面倒な論説でも大音量で流して寝たところを殴ることにするわ。 |
なんて卑劣な。 今度から策士黒羽と呼ぶことにする。 |
まあそんなバカのことは放っておくとして…… |
次の質問よ。 六堂マリアとは一体何者なのかしら? |
マリアちゃん? あれは私の若い頃に似せて生み出した、私を使わせるための人型よ。 |
貴方と同一人物ではないわけね。 |
ええ。同一の存在ではないし、かといってクローンとかでもないわ。 物の例えではあるけれど、この星で生まれた人間が、星と同一の存在かといえば違うでしょ。 私とマリアはそのくらいには違うわけ。 |
遊び半分で第六世界と一体化したのは早まったかもしれないわねー 暴れる時はいいんだけど普段は自分の身体が重くて重くて仕方がないわ。 特にこんな小さな星じゃ、ねえ? |
兄さんがその言葉を直接聞いてたら小躍りしたかもしれないわね。 それ、貴方達がこの星の外から来たって白状してるようなものじゃない。 |
白状も何も私は隠してなんかいないもの。 神を名乗るからにはそのくらい当然じゃないかしら? 他の連中は外に目を向けさせたくないんでしょうけど。 |
ちょっといい……? |
あら、どうしたの? |
何よ神凪。 今いいところなんだから邪魔をしないでくれる? |
私も質問がある。 |
ええ、どうぞ。 |
メイって昔からあんな感じなの。 |
そうねえ…… 言葉遣いはともかく昔は全然違ったわね。 |
使命感の鬼。正しさの権化。 遊び心が欠片もない堅物。 だからもう口うるさくて仕方がなかったわ。 |
……… |
……… |
またまたご冗談を。 |
あ、春風さんが起きた。 |
うん、ショックで目が覚めた。 |
いやホントなのよこれが。 |
なんと。 |
あとは身長も縮 |
フッ |
あれ? 消えた。 |
いなくなった…… |
消えたわね。 |
どこ行ったんだろう…… |
うーん…… もしかしたら六堂さんが一枚なくなったのに気付いて呼び戻したとか? |
そんなところでしょうね。 |
まだ話の途中だったのに…… |
それじゃこれで解散かなー また今度! |