「月影! 月影! とっとと来んか!!」 「ええっと、職務で忙しいってことで」 ――自業自得 |
美澤さん、お酒飲んだことある? |
はぁ? |
ボク飲んだことないんだけど、みんなどうなのかなーって。 |
あんたねぇ……。 あたし達未成年でしょうが……。 |
あ、そっか。 |
なんじゃと? いまだ未成年は飲酒禁止なんぞとのたまっとるのか。 |
そりゃそうでしょうよ。 |
とっくに悪酔い、二日酔い、んなもん除去できるようになっとろーが。 悪しき慣習がいまだ続いておるとはアホくさいのう。 |
そういう理由で禁止されてるわけじゃないでしょ……。 |
成長に悪影響とかそういうのじゃ? |
んなもんも技術でなんとかできるわ。 おい、美澤。飲んでみんか。 |
お断りします。 |
はー……。月影でも誘うかのう。 |
……。 |
神凪さん。こんにちは。 |
あー、神凪も飲まんぞ。つまらんことにな。 |
当たり前です。 |
飲む必要性がない……。 |
酔わせたらどう豹変するのか見ものなんじゃがのう。 |
だいたい、いつ出動するかもわからない連中に飲ませないでください。 緩和されてるとはいえ、Gがかかれば少量のアルコールでも致命的でしょうが。 |
あー、お堅い連中ばっかりでつまらんの。 おい神凪、せめて酌の相手でもせい。 |
断る。 |
ぐぬぬ……、以前は付き合ってくれたじゃろうが。 |
断る。 |
な、何があったんだろう……? |
ろくでもないことがあったんでしょ。 |
あー、つまらんつまらん。 結局、月影くらいのもんか、お前らの中で飲むのは。 |
だから、ほとんど未成年でしょうが……。 |
お、黒羽がおったのう。 |
……。 |
くくく……。 |
わ、悪い顔……。 |
いや、単に昔飲ませた時のことを思い出してな。 どれくらい前じゃったか、あやつに……。 |
殺すわよ。 |
!? |
……。 |
あ、こんにちはー。 |
ケチくさいのう、別に良いではないか。 |
他人の過去を漁ってばらまくのが趣味になったの? ずいぶん下劣になったわね。 |
ぐ……。 |
あなたが兄と飲……。 |
あーあー、もうつまらん! わらわは帰る!! |
何が何やら……。 |
はー、やっぱり宝鏡さんと黒羽さんって、昔からのお知り合いなんですね。 |
あなたには関係の無いことよ。 |
あ、行っちゃった。 |
誰相手でもあんな感じだけど、宝鏡さん相手にはさらにって感じね。 |
……そうでもない。 |
そうなの? |
……。 以前よりは。 |
ふーん? |
何だろうね? |